年々コンプライアンスを守ることは重要性が増しており、コンプライアンスの徹底が出来ていない企業は社会的信用を失うことになりかねません。
なぜコンプライアンスは守る必要があるのか、違反してしまうことでどのようなリスクがあるのか
「最新のコンプライアンス事例」を参考に確認していきましょう。
コンプライアンスとは
コンプライアンスとは、企業や組織の人間が守るべき「法律・規則・社会的ルール」のことを指します。
コンプライアンスを違反するような企業や組織の人間は、社会的な信用を失ってしまい場合によっては、企業の経営を続けること自体が難しくなったり、個人に関しては解雇されてしまうことも。
年々コンプライアンスの重要性は高まっており、違反してしまった際の損失やリスクも比例して大きくなってきています。
コンプライアンスを守る重要性
コンプライアンスを守る重要性を具体的に確認してみましょう。
重要性を理解出来ればコンプライアンスを軽視する事もなくなり、健全な働き方、職場環境の維持に務める事が出来るようになります。
□コンプライアンスを守る重要性
- 企業の社会的な責任を果たすため
- 健全に働く職場を維持するため
- 違法行為が発生するリスク回避
企業の社会的な責任を果たすため
企業には必ずと言っていいほど「企業理念」が定められています。
企業は利益を求めるためだけではなく、何かしら社会貢献に繋がる役割を定めて設立することが求めらており、社会に迷惑を掛けるような企業の設立は誰からも求められていない訳なのです。
コンプライアンスを守るという行為は社会的な責任を果たし、当たり前の事を出来る会社だと世間から信頼を守る行為。
コンプライアンスを守れない企業は、社会的な責任を果たせていないことに繋がりますので、社会にとって迷惑な会社だと世間から見られても仕方がない訳です。
健全に働く職場を維持するため
コンプライアンス違反を防ぐことは「不正」や「犯罪行為」の発生を防ぐ結果にも繋がります。
目先の売り上げやノルマを達成するために自社内で誰かに購入をさせたり、契約をさせる行為は決して健全とは言えません。
また、上司が部下に対して良かれと思い「仕事終わりに飲みに誘う」行為は、部下からすれば迷惑な「パワハラ行為」に該当するリスクもあります。
コンプライアンスの徹底は不正を引き起こす可能性を抑制し、働きやすい職場環境作りにも効果を発揮しますので遵守する重要性は非常に高いでしょう。
違法行為が発生するリスク回避
契約を獲得するためならお客様を騙しても仕方がない。
ムシャクシャするから「○○君になら」暴言を吐いたり、暴行を行っても問題ないだろう。
コンプライアンスへの認識が低く、これくらいなら問題ないだろうと行動に移してしまう労働環境では、当人からすると法律を犯す気がなくても、違法行為に発展してしまう可能性が高くなります。
やってはいけないことは何なのか、やってはいけないことをしてしまうと、どうなってしまうのか。
コンプライアンスの違反事例を紹介したり、研修を定期的に開催するなどして従業員に守って貰うことが重要となります。
2023年版 最新のコンプライアンス違反事例
2023年になった今でも残念ながら様々な企業でコンプライアンス違反は発生しています。
どのような事例が起きているのか確認することで、同じ過ちを犯すリスクを低減することができるでしょう。
□最新版のコンプライアンス違反事例
- 個人情報流出編
- コロナによる持続化給付金の不正受給
- 卑劣な人権侵害
個人情報流出編
個人情報の流出に関してはサーバーを攻撃されて漏えいしてしまう場合と、従業員による故意の漏えいに大きく分類されます。
2022年1月に発生した、某A社ホールディングスの従業員が退職時に個人情報を不正に持ち出し64件が漏えい。
同じく2022年1月に発生した、某Hガス株式会社の事例では、2019年より使用していたHDDが紛失。31,463件もの個人情報が漏えいした可能性があるとしています。
コロナによる持続化給付金の不正受給
中小企業庁は令和3年3月15日以降1761者を持続化給付金を不正に受給した者として、経済産業省の公式サイトに公表しています。
いくら経営が厳しい状況とは言え、国の税金を不正に受給することは立派なコンプライアンス違反となるでしょう。
卑劣な人権侵害
岡山市内にある建設会社にてベトナム人技能実習生が2年間にも渡り暴行を受けていたとされています。
人権侵害だけでなく、パワハラにも関連するコンプライアンス違反となり二度と引き起こされることのないよう対策されることを願っています。
良くあるコンプライアンス違反の事例
良くあってはいけないのですが、コンプライアンスには違反してしまいやすい事例があります。
- ハラスメント問題
- 情報漏えい問題
- 書類の改ざんや脱税に関する問題
- 悪質な営業手法
上記に記載している4項目はどの職場でも発生しやすく、企業としてだけではなく個人個人が違反しないように普段から心がける意識が必要でしょう。
コンプライアンス違反がもたらすリスク
コンプライアンスは遵守(守る)事が当たり前なので、万が一にでも違反してしまった場合には、今まで積み上げてきた社会的信用を一瞬で失ってしまうリスクがあります。
人間関係においても信頼関係を構築するには多くの時間を要しますが、信頼を失うのは簡単だと聞いたことはあるでしょう。
コンプライアンス違反をしてしまうと社会的信用を失う以外にも様々なリスクがありますので詳しく解説します。
□コンプライアンス違反がもたらすリスク
- 社会的な信頼を失い大きなイメージダウンに
- 罰金や行政処分などによる損害
- 個人の仕事が無くなる
- 場合によっては企業の倒産も
社会的な信頼を失い大きなイメージダウンに
コンプライアンス違反が発生すると、問題の大きさによってはニュースや週刊誌などに取り上げらることでしょう。
実際に有名な大手企業などで、個人情報流出やハラスメントによる問題によりニュースになっているのをテレビで見たことがあるはずです。
コンプライアンス違反によってメディアに取り上げられるという状況は、社会的に悪い事をしてしまった場合になりますので
「この企業の商品を買うのは辞めよう」
「サービスを利用していたけど解約しよう」
このように社会的な信用を失うことになり、企業にとっては大きなイメージダウンとなってしまいます。
罰金や行政処分などによる損害
自社内で解決する問題であれば、これからの活動を再度見直しコンプライアンス遵守を徹底するようにして改善を図ることができます。
しかし、お客様に迷惑を掛けてしまっていたり、自社内だけでは収まりきれない問題にまで発展してしまうと「罰金」や「行政処分」と損害を被るリスクも考えられるでしょう。
取り扱う商材のコストが高い業種ほど、損害賠償を受けた時のリスクも大きくなりますのでコンプライアンスに対する取り組みはシビアになる必要があります。
個人の仕事が無くなる
パワハラやセクハラ、書類の改ざんなど理由問わず行動に移してしまった従業員は「指導」や「謹慎」「降格」など様々な不利益が生じることになります。
最悪な場合クビを宣告され「仕事が無くなる」可能性もありますし、法律を犯すレベルになると逮捕されてしまうことも。
軽い気持ちで行った行動がコンプライアンスの域を超えてしまうと、アナタの生涯に大きな影響を与えるリスクがあることを理解しておきましょう。
場合によっては企業の倒産も
個人の起こした問題が原因で会社そのものが倒産してしまうリスクも理解しておく必要があるでしょう。
個人が起こしたコンプライアンス違反による会社の倒産は、メディアに取り上げられたイメージダウンがきっかけとなり業績悪化という流れが一般的。
企業ぐるみでの違反行動になると
会計処理を虚偽に申告する「粉飾決算」や、会社の資金を横領したり不正に流出させる「資金使途不正」、無許可営業や重大な違反行為による「業法違反」、労働基準法に違反した「雇用関係」。
上記のようなコンプライアンス違反により、年間200社近くもの企業が倒産していると調査結果が出ています。
個人としても、企業そのものとしてもコンプライアンスを守ることは、様々なリスク回避に必要だと考えられるでしょう。
コンプライアンス違反を起こす人の特徴
コンプライアンス違反をしては行けないと知っていながらも、なぜかルールを破ったり、違法行為に手を染めてしまったりと問題を起こしてしまう人はいらっしゃいます。
このような人には決まって特徴があり「コンプライアンス違反をしてはいけない!」と指導するだけでなく、当てはまる特徴に合わせて根本的な考え方を改善してあげる必要があります。
違反を犯して取り返しがつかなくなる前に、怪しいと感じる従業員がいらっしゃるなら早めの対策を検討するようにしてください。
□コンプライアンス違反を起こす人の特徴
- 失敗しても何とかなると考えている
- 目的の為なら何をしても良いと考えている
- 客観的な視点で物事を見ることが出来ない
- 嘘を付いたり誤魔化すのが得意
- 目先の利益から未来を想像する能力
失敗しても何とかなると考えている
ビジネスにおいて、失敗は恐れることなく常にチャレンジする精神が重要です。
しかし失敗することを軽視してしまい、「何とかなる」「誰かがどうにかしてくれる」このような考えになるのは要注意。
必ず失敗してしまった場合どのようなリスクを被る可能性があるのか、失敗した時はどのように対処するのかを事前に確認しておきましょう。
失敗を軽視する習慣が身につくと、仕事に対する取り組み方(姿勢)も適当になってしまい、簡単にコンプライアンス違反をしてしまう人材へと変化してしまいます。
目的の為なら何をしても良いと考えている
上司からの過度なプレッシャー、高すぎるノルマを課されている職場に多いのが「目的の為なら何をしてもいい」と考える思考です。
「売れるなら騙してもいい」
「お客は待たせてもいいから、予約は詰め込みなさい」
「予算が足りないなら自腹を切って」
もはやコンプライアンス違反の塊ですね。
人の特徴というよりも、劣悪な職場環境がこのような従業員を作り上げる典型的な例となりますので、このような社員が多い会社は要注意でしょう。
客観的な視点で物事を見ることが出来ない
ビジネスだけでなく、日常生活においても自分が考えたことに従い行動するかと思いますが、「ご飯を食べたい」と感じたらご飯を食べますよね。
しかし、仕事中に「ご飯を食べたい」と感じたらアナタはどうしますか?
通常なら昼休みまで待つと思いますが、仕事中に隠れながらでも食べようとする人はいる訳です。
この状況には2つの視点があり
1つ目は「生理的に我慢することができない」極端な例をあげるとタバコやギャンブル、薬物を我慢出来ないのと同じ考えですね。
2つ目は「今この行動をしたら周りからどう思われるか」このような客観的視点で物事を考える能力がない場合です。
従業員が仕事中に隠れてご飯を食べいるのを見つけたら、その人はどう感じるだろう?
主観的ではなく客観的に物事を考えれない人は、コンプライアンス違反をするリスクが高くなります。
嘘を付いたり誤魔化すのが得意
頭の回転が早い人や、ズル賢いと言われる人は「嘘を付いたり誤魔化すのが得意」な傾向があります。
嘘をつかず誠実に働いている人でも、ミスを誤魔化すために1度でも嘘をついてしまうと、不思議なもので2回目・3回目と誤魔化すのが当たり前になることも。
常習化してしまうと、周囲の従業員や上司も「嘘をついている」と見抜くことが難しくなり、コンプライアンス違反が発覚した時には手の付けようがないレベルまで問題が発展してしまう可能性も考えられるでしょう。
従業員は怒られないために「嘘をつく」場合がほとんどなので、気軽に相談出来る職場環境を徹底する必要があります。
目先の利益から未来を想像する能力
目標まであと5万円売り上げが足りないから従業員に買わせよう。
ノルマまで残り1件だから、お客様に無理強いしてでも契約してもらおう。
目先の利益を追求することはビジネスにおいて重要な考え方ですが、上記のような事例をあげた場合、目先の利益を得るために行った行動は、どのような結果をもたらすでしょうか。
売り上げ達成のため従業員に5万円も商品を購入させれば「パワハラ」と訴えられる可能性がありますし、無理強いして契約させれば「クレーム」に発展する可能性も高くなります。
目先の利益を得るため行った行動にどのようなリスクがあるのか、コンプライアンス違反を犯してまでやる必要がある行為なのか、未来をしっかりと想像して判断してください。
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