携帯販売員として経験を積んでくると、新人がキャッチしたお客様へ途中から案内を交代する事が増えてきたり
家電量販店では、量販店の社員が家電販売をしたお客様へ携帯の提案をすることが増えます。
このような行為を「カットイン」と通信業界では呼んでおり、突然誰かと案内を交代する行為となりますので、変な変わり方をするとお客様もビックリしてしまったり、販売員も緊張から意味不明な会話をしてしまうことがあるでしょう。
カットインは難しい、カットインの仕方が分からないと悩んでいる方に向けて「カットインのコツ」を携帯販売5年以上のベテランが解説します。
そもそもカットインって何?
携帯販売におけるカットインとは「話の途中に割って入る」という意味で使われる専門用語。
カットインは基本的に、提案力の高い販売員が行う手法で、キャッチした販売員が事前にヒアリングした情報を元に、途中から案内をバトンタッチしてクロージングまでを行います。
量販店の家電コーナーでカットインを行う場合は、ヒアリング役がいないので配送手続き中に何の前触れもなく
「アンケートの協力お願いします。」
「キャンペーンを伝えに来ました!」
これくらい突然の割り込みでヒアリングからスタートする方法を、現場では行っています。
カットインは成約率を上げるため
「わざわざカットインする必要なんてあるの?」疑問に感じた方はいるはず。
確かに提案力の高い販売員がキャッチ~クロージングまで全て1人でやってしまえば、件数は獲得できるでしょうし
新人スタッフがキャッチした案件も、新人の案内で件数獲得に繋がるかもしれません。
しかし、そもそも携帯案内が出来ない新人が接客していたり、店舗ノルマ達成の為に件数を落とす事が出来ない状況では、カットインを行い確実に成約させるしかないのです。
第三者の提案は説得力が増す
カットインは実力ある販売員に交代するだけが目的ではなく、第三者に提案を変わることで説得力をアップさせる効果にも期待ができます。
例えば「乗り換え希望」のお客様を新人スタッフがキャッチしたとして、カットインで交代する際に新人スタッフが
「各社比較できる販売員に変わりますね」
「めちゃくちゃ詳しい方に案内お願いします」
このように一言添えてカットインに入るだけで、お客様からの見え方は大きく変わってくることでしょう。
またカットインを行う販売員からでも
「見積もり担当の〇〇です。分からない事があればなんでも聞いてくださいね」
「乗り換え希望ですね、お得な会社を案内させて頂きます。」
こんな感じて一言添えるだけで、お客様からすれば「詳しそうな人が出てきた!」と話しをしっかりと聞く姿勢になってくれることでしょう。
役割分担ができ効率的に働ける
カットインにより交代することで、売り場では「キャッチ役」「クロージング役」の2つに役割が分担されます。
このように役割りが分かれることで
キャッチ役が好案件を失注するリスクを減らせますし、クロージング役が購買意欲の全く無いお客様に時間を割かれることも抑制できるでしょう。
件数獲得の向上に繋がるだけではなく、無駄な提案数も減らすことができますので非常に効率的な手法だと考えられます。
カットインのコツを伝授します
携帯販売員として経験を積み、カットインする機会が増えてきたあなたに向けて
どのようにすれば上手くいくのかや、違和感なく交代する方法など「カットインのコツ」をベテラン販売員が伝授します。
今まで緊張から意味不明なトークをしてしまったり、なかなか実績に繋がらなくて悩んでいたなら是非とも読んでください。
先ず難しいと感じているなら考えすぎ
カットインのコツを理解する前に、大前提としてカットインを難しいと感じているならその考えが大間違いなので、先ずは簡単な内容なんだと切り替えるようにしてください。
なぜ簡単なのか、なぜ難しいと感じるのかそれぞれを解説。
□簡単な理由
- お客様は話しを聞く状態になっている
- 来店目的がすでに確認できている
- 再度ヒアリングして聞き役になる(携帯コーナー)
- キャンペーン内容を伝えるだけ(家電コーナー)
□難しいと感じる理由
- どのように件数獲得しようかと考えている
- 違和感なく携帯の話しにする方法を考えている
今まで難しいと感じていた方は上記の記載を見てどう感じましたか?
恐らく「難しいと感じる理由」ばかり考えて、シンプルさに欠けていたのではないでしょうか。
カットインをするのはとっても簡単で
①来店目的を再度ヒアリングして聞き役になる(携帯コーナー編)
「ワイモバイルに乗り換え希望どのことですが、安くしたいからですか?」
「スマホの調子が悪いとのことですが、どこの調子が悪いですか?」
キャッチしたスタッフからの引き継ぎにより、事前に確認していた来店目的について再度問いかけすればそれだけでOK。
②キャンペーン内容を伝えるだけ(家電コーナー編)
「今回お得なキャンペーンがありまして、皆さまにお伝えしています。乗り換えるだけで今日の家電製品2万値引きできますよ」
「新生活キャンペーンとしてWiFi申し込みにより、家電製品が3万値引きできますが、引越し先にネット環境はありますか?」
家電コーナーでは、通信費見直しアンケートをキッカケにカットインする事が多いですが、こんなアンケートしなくてもシンプルにキャンペーンを伝えればそれだけでOK。
あなたが求めている情報を整理しよう?
あなたがカットインを行う前に、お客様の何の情報を求めているのかを先ずは「あなた」が理解して整理しておく必要があります。
例えば来店目的が「乗り換え希望」だった場合に、何も考えずカットインしても良いのですが効率が非常に悪いです。
この来店目的だと少なくとも
「現在契約している携帯会社」(自社ユーザーだと乗り換え抑止の提案になってしまうため)
の情報は収集しておきたい所。
この他にも
- SIM乗り換えor端末も検討中なのか
- どこの会社に乗り換えを検討しているのか
- 契約名義は本人なのか
このように必要な情報は来店目的が分かっていれば、カットインする前から整理する事が可能。
キャッチした販売員に「この内容をもう一度聞いてきて」とお願いすることで万全の状態でカットインを行えるようになるでしょう。
ファーストトークは「挨拶と感謝」で十分
カットインした最初の一言目って何を喋ればいいのか凄く迷いますよね。
今回は最初のセリフをファーストトークと呼ばせて頂きますが伝える言葉は「挨拶と感謝」でOKです。
例えば
「こんにちは、見積もり担当の〇〇です。よろしくお願いします。」
「今日は家電製品のご購入ありがとうございます!今回は値引きのキャンペーンがあるのでお伝えしますね。」
「ご来店ありがとうございます。本日は機種変更ご検討でお間違いないですかね?」
このような流れでファーストトークは「挨拶」もしくは「感謝」を活用して、そこから本題へと入るように心掛けてみましょう。
お客様としても販売員が突然変わったり、いきなり提案されるとビックリしてしまうので、違和感なく良い雰囲気で会話を始めるには最適な方法となります。
カットイン時の便利なトーク集
実際にカットインで使えるトーク集を掲載しておきます。提案シーンによって様々なトークが活きてきますので身につけておくようにしましょう。
□キャッチした販売員が行うトーク
カットインするタイミングのトークでは、提案を行う販売員ではなく、キャッチした販売員が活躍します。
「私より凄く詳しいスタッフなので見積もりから変わりますね」
「私は自社の事しか分からなくて、各社のキャンペーンは〇〇さんが全て把握してますので交代します。」
キャッチした販売員のポジションを下げる・提案に入る販売員のポジションを上げるようなトークがお客様の受けも良いので、キャッチした販売員に仕込んでおくといいでしょう。
□ヒアリングでのトーク
途中から案内を交代したというデメリットを逆手に取って、優先して聞きたい情報を違和感なく聞き出す話し方です。
「すみません、先程のスタッフからWiFi変えて問題ないのか聞くの忘れてて、、別に変えても大丈夫なんですかね?」
「あの人しつこかったでしょ〜すみませんね。途中から交代する私の事も考えて欲しいもんです。声掛けする人も大変なんでしょうけど、、笑」
□クロージングでのトーク
「お客様と最初から話してた訳じゃないので、温度感が分からないんですけど、そもそもいつ変える予定で考えてたんですか?」
「ワイモバイル以外の会社は考えてないって聞いたんですけど、最初話したスタッフから〇〇キャンペーンがあるの聞いてます?」
どんな時にカットインをするの?
実際の現場ではどのようなシーンでカットインが使われているのでしょうか。
現在すでにカットインを行っている販売員さんも、これからするかもしれないという方も確認して頂き、これからの提案に活かしてください。
□カットインの実用シーン
- 詳しくない人→詳しい人に変わる時
- 悩んでいる時・あと一押しが必要な時
- 携帯電話と関係ない商品の購入時
- 特別・光アドバイザーは基本カットイン
詳しくない人→詳しい人に変わる時
契約する気持ちで来店したお客様が、新人販売員の案内ミスによって呆れて帰ってしまったり、持ち帰り検討になると非常に勿体ないですよね?
このような売り逃しを防ぐためにもカットインは重要な営業手法となるでしょう。
新人販売員に限らず、イベント時に活躍するイベントスタッフから携帯販売員に交代する場面や、常勤スタッフから特別販売員・光アドバイザーに交代する場面は良くあります。
悩んでいる時・あと一押しが必要な時
一通り提案が完了したにも関わらず、お客様が契約するか決めかねている状態にもカットインンは有効的です。
この場合は案内を交代するという使い方ではなく、もう1名クロージング役として「何で悩んでいるのか」や「ダメ押しの追加キャンペーン」を伝えるためにカットインを行います。
2名でクロージングをすることから、ダブルクロージングとも呼ばれ、提案で行き詰まった雰囲気をリフレッシュしたり、特別にキャンペーンを増額するための演出などに便利な手法となるでしょう。
携帯電話と関係ない商品の購入時
家電量販店にて商品の配送手続きしている場面で多く見受けられる、携帯ショップでは想像も出来ないカットインのシーン。
量販店の社員が「キャンペーンがあるので聞いてみて下さい。」と雑な振りから出番が回ってくるのですが
基本的に通信費アンケートを活躍してヒアリングから提案まで行う事が多くなります。
カットインのコツでも記載したように、キャンペーン内容をお客様に伝える事が重要なので、わざわざアンケートを利用する必要が無いことは覚えておきましょう。
特別・光アドバイザーは基本カットイン
携帯販売の経験者やスペシャリストとして勤務している「特別販売員」や「光アドバイザー」は基本的にカットインで提案に入る事が多くなります。
理由はシンプルで
常勤スタッフやイベントスタッフがクロージングするよりも、特別もしくは光アドバイザーに案内を交代した方が成約率と効率がアップするから。
最近では店舗件数の7割~8割近くを、特販や光アドバイザーがカットインにて獲得している店舗も珍しくはありません。
カットイン後に必要なスキルは足りてますか?
今回お伝えした「カットインのコツ」を身につければ、誰でも簡単に違和感のないカットインが出来るようになります。
カットインした後は、もちろん携帯に関するヒアリング→提案→クロージングを順番に行うことで無事成約へと繋がりますので、最後まで気を抜かないようにしてくださいね。
もしもカットイン後の流れで自信がない項目がある場合は、今の内に合わせて確認しておくようにしましょう。
お客様の利用状況を把握するのが苦手、何の質問をすればいいのか思い浮かばない。そんなアナタへ
ヒアリングで情報を聞き出したのは言いものの、どのように提案すればいいのかイマイチ分からないアナタへ。
お客様は納得したり、頷いたりしてくれるのに何故か即決してくれない。自分の中では提案が終わってるのに話の閉め方が分からない。そんなアナタへ
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