秋~冬の季節は空気が乾燥するため「加湿器」があると健康にも美容にも効果的です。
携帯販売員が家電コーナーを立ち回る際に「加湿器コーナー」は行く必要ある?
と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、意外にも穴場スポットと言える売り場となることから【スマホ天職】では秋~冬の季節限定ですが優先してオススメしたい稼働コーナーとなります。
加湿器の基礎知識から「物販のコツ」「携帯に繋げるためのコツ」を伝授しますので今後の参考にしてください。
加湿器コーナーで立ち回るポイント
加湿器コーナーの客層は偏見になるかもしれませんが、「若い女性」「赤ちゃん連れの家族」が多くいらっしゃいます。
この客層は携帯販売へと非常に繋がりやすい理想的なターゲット層と言え、携帯会社のロゴが入った制服を来てアプローチするだけで加湿器売り場なのに、気づけば携帯の話題に話しが切り替わるほど
お客様との「会話が弾みやすく」また「通信費に対する意識も高い」事が挙げられます。
また携帯へのリテラシーも高い事から最新スマホを所持している割合が多く、契約提案時はSIM乗り換えの特典だけで話しがスムーズに進むメリットも。
加湿器を物販する時の注意点は「機能」よりも「デザイン性」を重視するお客様が高いこと。
加湿器の特徴として安価なモデルは可愛いデザインのモデルが多く、高価なハイスペックモデルはゴツくて四角い製品ばかりになってしまいます。
最初から知識をひけらかしハイスペックに選択肢を狭めてしまうと、お客様はデザインが気に入らず、可愛いデザインのモデルは性能が悪いと勘違いしてしまいますので、気をつけるポイントとなるでしょう。
加湿器の基礎知識を身につけよう
新型コロナウイルスの流行により、日本ではウイルス対策の意識が非常に高まりました。
ウイルス対策の項目には「室内の湿度管理」も含まれており、湿度40%以上を保つ事が効果的だと様々な研究結果により公表がされています。
秋~冬の季節は空気が非常に乾燥しやすく、湿度が20%を下回ることも。
「加湿器」を導入することで室内湿度を上昇させる事が可能になり、ウイルス対策以外にも乾燥による「喉のイガイガを抑制」、「お肌の乾燥を抑制」など様々な効果に期待ができるようになります。
加湿器の知識を身につける前に大前提として、このような加湿器の存在意義・お客様の購入目的を理解しておくようにしてください。
□加湿器の基本知識
- 加湿方式
- 加湿適用畳数
- 電気代(消費電力)
- お手入れ(メンテナンス)
加湿方式
加湿器の加湿方式は、大きく4つの種類に分類する事ができます。
4つの加湿方式は
- 超音波式
- 気化式
- ヒーター式
- ハイブリッド式
このようになっており、加湿方式が異なることで「加湿力」「消費電力」「衛生面」「本体価格」に違いが現れます。
本体価格は
超音波式➞気化式➞ヒーター式➞ハイブリッド式
矢印の方向に向かって高くなる傾向があるでしょう。
それでは、4種類の加湿方式について個別で解説を行っていきます。
超音波式
超音波式は加湿器で最もメジャーと言える加湿方式。
タンク内に溜めた水へと超音波振動を与え、水を細かい粒子に変えて放出を行います。
加湿器から白いモクモクとした気体が放出されているのを見たことあるかもしれませんが、あれは超音波式ならではの特徴とも言えるでしょう。
メリットとしては
本体価格・電気代が安い、小型でも作りやすく、デザイン性も高い物が多い
デメリットとしては
加湿力が弱い
水を熱することなく放出する為、タンク内はこまめに清掃する必要がある
放出される水の粒子は目に見えるほど大きいため、床や壁がビシャビシャになることがある
このような内容があげられます。
気化式
気化式は加湿器の中で最も電気代が安いとされている加湿方式。
イメージとしては濡れたタオルに風を当てて加湿するという仕組みと考えれば分かりやすく、そのまま言い換えると「フィルターに水を染み込ませ、ファンで送風して放出する」このようになります。
放出口から出てくる湿った空気は超音波式やヒーター式と異なり目に見えないレベルなので、小さいお子様がいる家庭でも安心です。
メリットとしては
電気代が最も安い、小さい子供やペットがいても安心して使える
デメリットとしては
加湿力が弱い、水タンクだけでなく給水フィルターも手入れが必要、室温が下がりやすい
このような内容があげられます。
ヒーター式
ヒーター式はタンク内の水を熱して放出するため最も衛生的とされている加湿方式。
水タンク内や放出口に、菌やカビが発生することを気にすることなく利用できるので、面倒くさがりの方や、潔癖症の方にオススメ。
ポットのように、お湯を沸かすイメージに近いため消費電力は高く電気代も高くなる特徴があります。
メリットとしては
加湿力が強い、熱して放出するため衛生的、手入れの手間が少なくなる、室温を下げにくい
デメリットとしては
電気代が高い、放出口が熱くなるため注意が必要、カルキやミネラルがタンクにこびり付きやすい
このような内容があげられます。
ハイブリッド式
ハイブリッド式は名前の通り「超音波式」「気化式」「ヒーター式」から組み合わせて作った良いとこ取りの加湿方式。
ハイブリッド式は主に2つあり
「超音波式+ヒーター式」
「気化式+ヒーター式」
どちらの方式にもヒーター式が組み合わせて造られている事から分かるように、超音波式や気化式ではデメリットとなっていた
「加湿力の弱さ」「タンク内の衛生面」
をヒーターにより補うことができます。
またハイブリッド式は湿度センサーがほとんどの製品に搭載されるため、湿度設定が可能になります。
室内の湿度を検知し「自動でヒーターをON/OFF」できるので電気代も抑えれる特徴があるでしょう。
メリットとしては
加湿力は強いのに電気代は安い、ほとんどのモデルで湿度設定ができる、衛生的で安心して使える
デメリットとしては
本体価格が高い、本体サイズが大きくなりがち
このような内容があげられます。
加湿適用畳数
加湿器はモデルによって、加湿できる適用畳数が異なります。
何畳くらいの部屋で使用を検討しているのかは早めにヒアリングしておくべき項目となるでしょう。
10畳のリビングで使う予定なのに、適用畳数が5畳の加湿器を販売すると、室内の湿度上昇が見込めずクレームへと発展する可能性も考えられます。
必ず使う予定の広さを確認して、それに合わせた畳数もしくは、それ以上の広さに対応した加湿器を提案するようにしましょう。
また繋がった2部屋をまとめて加湿したいと言われるお客様には、加湿器を各部屋に1台づつ設置することをオススメします。
電気代(消費電力)
家電製品は消費電力が大きくなれば比例してパワーも強くなっていく特徴があります。
これは加湿器も同様で消費電力(W数)が大きいモデルは、適用畳数が広かったり、加湿スピードが早いと認識して問題ないでしょう。
消費電力が高い事はメリットのように聞こえるかもしれませんが、注意点としては電気代が高くなることを忘れてはいけません。
電気代は加湿方式によって大きく異なり
超音波式➞電気代安い
気化式➞電気代安い
ヒーター式➞電気代高い
ハイブリッド式➞電気代普通
一般的には上記のような覚え方となります。
簡単な電気代の計算方法は
1000W➞1時間連続使用➞30円
ざっくりこんな感じで覚えておくと案内時に活用しやすいでしょう。
超音波式や気化式の消費電力は20W前後が相場なので1時間使用で0.6円程度。
ヒーター式の消費電力は300W前後が相場なので1時間使用で9円程度。
ハイブリッド式は室内の湿度状況に応じて自動で運転をコントロールするためモデルによりますが1時間辺り3円~5円程度で考えてください。
超音波式とヒーター式の電気代を1日10時間使用した場合で月間で計算すると
超音波式➞180円
ヒーター式➞2,700円
これだけ大きな違いとなりますので案内時は気をつけたいポイントとなります。
お手入れ(メンテナンス)
加湿器は手入れをせずに使用していると健康維持のため購入した製品から、「人体に大きな悪影響を与える製品」へと変化してしまう恐ろしい面も兼ね備えています。
わざわざ電気代の高いヒーター式や、本体代金の高いハイブリッド式が販売されている理由はこの点にあるでしょう。
有名な加湿器の事件として、老人ホームで使用していた加湿器が原因で「レジオネラ菌」に集団感染してしまった事例があります。
注水した水をそのまま振動させて室内へと放出する超音波式加湿器は、手入れを怠ると加湿器内部に繁殖した菌まで同時に放出してしまう危険な面があると証明された事故となりました。
「超音波式」と「気化式」は電気代が安い代わりに、水を熱することなく室内へと放出するため、こまめな機器清掃が必要となるでしょう。
「ヒーター式」と「ハイブリッド式」は電気代や本体価格が高価になる代わりに、水を熱して室内へと放出するため衛生面は非常に安心できます。
ただし長期的に使用を続けているとタンク内に、水道水に含まれるカルキやミネラルが白い結晶となって付着してしまいますので手入れが不要という事にはなりませんので案内時は気をつけましょう。
どのモデルを購入するにせよ、加湿するためには水を注水する手間が必要になりますので、超音波式でもタンク内の手入れは苦じゃないと言うお客様はたくさんいらっしゃいます。
タンク内の構造がどのように造られているのか製品ごとに目を通しておくことで、清掃しやすいモデルを提案できることもできますので覚えおくといいでしょう。
加湿器を物販するためのチェック項目
加湿器の基本が理解出来たら実際に購入してもらう為の「物販スキル」を身につけましょう。
加湿器に詳しくても物販のコツが分かっていなければ、せっかく買う気があったお客様でも購入せずに検討で接客が終了してしまうことも。
売り逃しをすることなく、しっかりと物販できる事が後の携帯契約の提案にも繋がりやすくなります。
□加湿器を物販するためのコツ
- 新規or買い替えの確認
- 大きさ・デザイン性をチェック
- 気になっている商品をとにかく押す
- 類似商品でオススメがあれば尚良し
新規or買い替えの確認
お客様が初めて加湿器の購入を考えているのか、すでに加湿器は持っているが買い替えを考えているのか販売員が把握しておくことは非常に重要です。
初めて購入する方は加湿器に対する知識が無く「何を選べばいいのか全く分からない」パターンがほとんどですが、
買い替えの場合は
「今のが調子悪くなった」
「パワーが弱くて加湿できない」
「2台目が欲しい」
このように「明確な理由」と「基準」がお客様の思考にはあります。
初めての新規購入なら「なぜ加湿器を欲しいと思ったのか」「どれくらいの広さで使うのか」このようなヒアリングからスタートすることでスムーズに物販を進める事ができるでしょう。
買い替えの場合は「今まで使っていた加湿器に対する悩み」をヒアリングし、それに合わせた提案を行うようにしてください。
「新規購入」か「買い替え」を簡単に見極める方法は、最初の声掛け(アプローチ)で使うワードを
「買い替えですか?」
で統一すればそれだけでOK!
「初めて買うんですけど分からなくて」
「そうですね〜、今のが古くなったんで」
このようにお客様は返答してくれますので、是非ともこの声掛けワードは活用してみてください。
大きさ・デザイン性をチェック
スマートフォンを販売する時どれだけ性能が良いモデルがあっても、大きすぎたり、ダサいスマホだとお客様は購入してくれませんよね。
加湿器の物販では上記内容が非常に当てはまり、ハイスペックな性能よりもインテリアとしてオシャレに飾りたい気持ちを優先して商品選びをする方が多くいらっしゃいます。
アナタの中でハイブリッド式がオススメだったとしても、なぜハイブリッド式がオススメなのか理由を説明する前に
「大きさはどれくらいで考えてますか?」
「見た感じデザインはどれが好きですか?」
必ずヒアリングをするようにしましょう。
ハイブリッド式の加湿器は性能面・電気代の面で確かにオススメですが、本体サイズが大きくなってしまったり、デザインが正方形で機械感の強い商品ばかりなので注意ポイントです。
私たち携帯販売員は、わざわざ本体価格の高いハイブリッド式を販売する必要はありませんので、お客様が希望するデザイン性や大きさの範囲内でベストな提案をするようにしてみましょう。
気になっている商品をとにかく押す
お客様に「新規or買い替え」「大きさ・デザイン」と必要最低限のヒアリングが出来たら、気になっている商品がすでにあるかヒアリングをしてみましょう。
ヒアリング方法は
「ちなみに展示商品で気になる物はありますか?」
お客様が気になっている商品があれば
「コレとかアレが可愛くて」
「こんな感じのが良いかな〜」
と言うように気持ちを伝えてくれます。
すでに気になっている商品があるなら、とにかくその商品の何が良いのかを伝えて先ずは押してみましょう。
「デザイン性が良いので人気商品です。超音波式は電気代も安いのでオススメですよ。」
「この商品は給水がしやすいモデルなので、水を注ぐ時のストレスは少ないですよ。しかもヒーター式なので噴出される水分も衛生的でオススメです!」
お客様的は気になっていた商品がオススメなんだと満足でき、これだけで物販が成立する事も全然有り得ます。
お客様に気になっている商品が無ければ
販売員から何個か商品を提案し、その中から気になる物を再度ヒアリングしてみるようにしてください。
その後の気になった商品を押す流れは同様となります。
類似商品でオススメがあれば尚良し
前項で解説した「気になった商品を押す」に追加して、お客様が気になっている商品と類似しているにも関わらず「優位性」ある加湿器があれば、最終的にそちらの製品をオススメしてみるのも良いでしょう。
例えば
「同じ価格・見た目なのに加湿力が高い」
「同じ性能なのに本体価格が安い」
「期間限定で上位モデルの方が安い」
こんな感じ。
販売員としても、お客様としても最初に気になっていた商品を購入することで全く問題無い訳ですが
販売員側からお客様へとメリットを提示してあげるだけで「信頼性」「高い満足度」を得ることができるのです。
物販により「信頼性」や「満足感」を得ることは大きな意味があり、この後で解説する携帯販売員本来の目的である
「携帯の提案・契約」
において不信感なく訴求するための重要な武器にもなるでしょう。
加湿器から携帯販売に繋げるコツ
加湿器がスムーズに物販出来るようになったら、本来アナタの仕事である「携帯販売」へと話を繋げるようにしてみましょう。
加湿器は小型の家電製品になる事から、配送手続きもありませんし、基本的に在庫も目の前に並んでいますので、量販店の社員に手伝いを求めることなく1人で物販を完了できます。
その変わりに「着座誘導が難しい」「そもそも商品価格が安いため値引きが響かない可能性がある」このようなデメリットも考えられますので、コレらを考慮した上で
「加湿器から携帯に繋げるコツ」
を学ぶようにしてみてください。
電気代は誰が払っているかヒアリング
加湿器はモデルによって電気代が大きく異なるため、電気代の話しはいつでも切り出しやすい特徴があります。
電気代や水道代は、携帯の通信料と同じ「固定費」となるため関連性のある話題として、携帯に話を変えていくのは比較的に行いやすいでしょう。
ちなみに電気代から携帯へ繋げるオススメの方法として
携帯会社は近年「電力サービス」も提供を行っていることから、その話題をフックに携帯へと話しを繋げる方法があげられます。
この方法で先ず大切なのは
「誰が電気代を払っているのか」
をヒアリングすること。
来店者が電気代を支払っていれば
「ちなみに電力会社って携帯会社とまとめれるのご存知ですか?」このように問いかけをしてみるようにしてみましょう。
ここでお客様の回答が「知ってる・知らない」関係ないなく
「ちなみにどこの携帯会社を使っていますか?」
このように続けて質問することで、携帯の話題へとスムーズに進めることができるようになります。
新しいスマホユーザーを優先して狙う
携帯販売員が家電コーナーで活動する場合、お客様にメインで提案する商材は「SIMのみでのMNP」もしくは「固定回線の申し込み」となります。
理由としては家電購入と合わせて上記契約をする事で「家電製品の値引き」をする事が出来るから。
つまり「SIMのみでのMNP」を提案する場合、お客様のスマホが新しければ新しいほどSIMのみ提案がしやすくなり必然的に契約までの近道となってくれる訳です。
相反してお客様が、3年以上前のスマホを利用していると「SIMのみ提案をしても」そもそもスマホを新しくしたいと話しが拗れてしまいややこしくなるデメリットがあるでしょう。
万が一、「新しく買い替えたいと思っていた」と話が逸れてしまった場合は、加湿器は完全に忘れて携帯販売にシフトチェンジするようにしてください。
加湿器よりも携帯の方が興味を持つ人は世間一般に多いので「安くする方法がある」と伝え、そのまま携帯コーナーに誘導したらOKです。
最近のお客様は来店時、アプローチ前、商品閲覧中にスマートフォンを操作する事が多いので遠目から常にチェックしておくことが大切。
慣れてくれば遠目からでも何のスマホか感覚で見極めれるようになりますので、普段から色んなスマートフォンを見ておくことは為になるでしょう。
ここからさらに値下げできますよ!
加湿器を一通り案内し終わったら、お客様は「購入する・購入しない・悩む」の意識表示をしてくれます。
「購入しない・悩む意思表示」をしているなら
「ココから大幅に値引きできますよ!」
と自信を持ってSIMのみ乗り換え提案をするようにしてください。
どうせ加湿器を買うか分からない状況なら、値引きできる事を伝えてみて契約を取れれば儲けもんです。
「最近の乗り換え手続きはスゴく楽ですよ」
「端末はそのままでSIMカードだけの交換なので簡単です」
「乗り換えて家電安くするのは最近だと当たり前になってます」
このように手続きのハードルが低くなっている事を前面に押しながら、誰しもが当たり前のように行う値引きの方法だとクロージングを行ってみましょう。
物販に自信がないなら先ずはココから
加湿器について詳しくなっても、物販の仕方が分からなかったり、家電量販店での立ち回り方が身についていなければ「携帯販売員」として結果を残すことはできません。
加湿器コーナーに限らず「家電量販店にて物販をするコツ」をまとめていますので、合わせて確認するようにしてください。
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