どの職場にも、仕事が出来る優秀な人・仕事が出来ない無能な人はいるものですが、どちらにしても度が過ぎてしまうと「モンスター社員」として会社では非常に厄介な存在となります。
モンスター社員が会社にいると様々な悪影響をもたらす可能性があるため、最悪の場合は多くの社員を退職させてしまったり、コンプライアンス違反などによって会社の存続自体が危うくなることも有り得るでしょう。
モンスター社員を会社で働かせるのはリスクでしかありません。
今回の記事では「モンスター社員を潰す方法」について詳しくまとめていますので参考にしてください。
モンスター社員ってどんな存在?
モンスター社員とは、会社にとって不利益となる行動を取ったり、周囲に迷惑をかけ続ける人物、自己中心的で言うことを聞かない、このような様々の要因が当てはまる問題社員のことを意味します。
モンスターペアレントと言う言葉を聞いたことあるかと思いますが、これに近しい造語と考えて問題ないでしょう。
モンスター社員だと入社前から判断するのは難しく、入社してから徐々に頭角を現してくる事例が多く見受けられます。
ヤバい社員と感じた場合は早急に対処を実施していかないと、モンスター社員が多大な損害を会社に与える可能性がありますのでご注意ください。
モンスター社員の特徴
モンスター社員と一括りにしても様々なタイプの問題児が存在します。
会社に所属させておくだけで問題を引き起こしたり、損失を与える可能性がある社員の特徴を以下にまとめています。
項目が複数当てはまる社員がいる場合や、すでに頭を悩まされている状況なら早急に対策を講じるようにしましょう。
□モンスター社員の特徴
- 能力不足を権力の力で解決する
- 何でも誤魔化そうと平気で噓をつく
- 人の気持ちが分からない
- 問題行動を問題だと理解できない
- 自己中心的にしか行動出来ない
- 本人が困った時に家族が介入してくる
能力不足を権力の力で解決する
勤務歴が5年~10年ほど経過した社員は役職が付いて現場に指示を出したり、プロジェクトをまとめるリーダーとして活躍するようになります。
今まで真面目だった社員や、大人しく働いていた社員でも「権力」を身につけることによって、モンスター社員の本性が現れることは珍しくありません。
能力の低い社員ほど、部下に対して「暴言」「嫌味」「脅し」と言ったようなハラスメント行為でしかコントロールする事ができず、業績が悪くなるほどモンスターレベルは悪化していきます。
優秀な社員は2~3年ほどで、このような役割を任せられる事が多く、権力と言うよりも先輩達と力を合わせながら働く傾向に。
実力と関係なく、年功序列によって役職が付いた社員ほど能力が低い故に「権力」を手に入れるとモンスター化しやすいと考えられます。
何でも誤魔化そうと平気で噓をつく
仕事でミスをしてしまった時や、クライアントと商談をしている際などモンスター社員は平気で嘘をつく特徴があります。
失敗した時は、謝罪することが当たり前ですが、彼らの場合は「人のせい」にしたり、「誤魔化す」のが当たり前。
日常的に嘘をついていることから、本人も無意識に発言していたり、言われている側も全く見抜けない可能性も。
モンスター社員の脳内はヤバいと感じても、「後先ではなく目先を乗り越えれば何とかなる」と考えている人が多くいますので、会社に大損害をもたらす最悪な存在と言えます。
人の気持ちが分からない
相手の気持ちを読み取るのは簡単なことではありませんが、今までの人生経験から「言っていい事」「言わない方がいい事」このような区別は何となく出来るはず。
人の気持ちが分からない社員は
クライアントに対してプライベートな事をズカズカ踏み込んでしまったり、悲しんでいる人に対して心無いセリフを発言するなど、コミュニケーション面で大きな問題を引き起こす可能性があります。
大切な商談を台無しにしてしまった。
発言が酷く退職者を続出させている。
このタイプは「サイコパス」という言葉が適した、モンスター社員の特徴となります。
問題行動を問題だと理解できない
普通なら「〇〇したらヤバいよな」とか、「やってしまった…どうしよう」と問題行動を認識しながら活動を行っていくことでしょう。
モンスター社員の恐ろしいところは、「問題行動を問題」だと理解出来ない場合が多いという点です。
例えば
会社の鍵を閉め忘れたけど、明日も出勤するから問題ないか。
明日はクライアントと朝から商談だけど、どうせ二次回行くならオールしちゃおう。
モンスター社員は上記のような行動を当たり前のように行います。
指導をしようにも、本人にはそもそも悪気が無いため「どこが問題なんですか?」と問題を理解すら出来ないことも珍しくありません。
自己中心的にしか行動出来ない
自分がラクになるためなら、人に仕事を押し付けても仕方がない。
部下の手柄は、全て上司となる自分のおかげ。
人の話は聞かないのに、自分の意見が通らないと直ぐに怒る。
自己中心的な性格の人間は、職場の雰囲気を掻き乱したり、チームで協力すべき仕事の邪魔になる存在です。
周囲の人をイラつかせたり、プロジェクトの進行を妨げてしまうため生産性の低下や、業績の悪化をもたらす可能性も考えられるでしょう。
本人が困った時に家族が介入してくる
モンスター社員が問題を起こした場合や、指導・教育を厳しくした後に発生しやすい事例として「本人ではなく家族」が介入してきて口出しする者もいます。
うちの子が仕事に行きたくないと言ってるんだけど、何をしてくれたんですか?
本人は話せる状態じゃないので、親の私を通してやり取りしてください。
モンスター社員の家族もモンスターと言った恐ろしい状況ですね。
家族と言えど第三者となる事に変わりありませんので、個人情報をどこまで伝えていくか対応が難しく、子供の問題となれば親はヒートアップしやすいので裁判へと発展する可能性も大いにあり得ます。
モンスター社員を潰す方法(対処法)
モンスター社員の存在を放置しておくのは非常に危険です。
出来る事なら会社を辞めさせたいところですが、日本の法律では社員を解雇するハードルが高くリスクある行為になりますので最終手段でしか解雇は使えません。
以下にモンスター社員を潰すための方法を具体的にまとめていますので参考にしてください。
□モンスター社員を潰す方法(対処法)
- 問題行動は全てメモに残しておく
- 解雇に備えて教育・指導は徹底しておく
- 問題を起こしたら始末書を書かせる
- 減給・懲戒処分を言い渡す
問題行動は全てメモに残しておく
モンスター社員を潰すためには、問題行動に関するエビデンス(証拠)が絶対に必要となります。
エビデンスが無ければ、モンスター社員から何か言い返された時に追い討ちをかけれなくなってしまいますし、万が一にでも裁判へと発展した場合は太刀打ちすら出来なくなります。
何時何分、いつ、どこで、誰が、何を、どのように問題行動を引き起こしたのか鮮明に記録しておく事がエビデンス集めでは重要でしょう。
解雇に備えて教育・指導は徹底しておく
日本で社員を解雇するのは、とても会社にとってリスクの高い行為となります。
万が一にでも裁判を起こされた場合は、基本的に労働者が有利な状態からスタートするため、会社はモンスター社員だと証明する証拠を相当な数準備しておかなければなりません。
社員の能力が低い、問題行動が多いと現状すでに悩んでいても先ずは「教育」を何回も繰り返し、問題があれば「指導」を徹底するようにしてください。
辛抱強くモンスター社員と向き合い、問題点が改善されれば儲けものですし、改善されなくても徹底して行ってきた「教育・指導」はエビデンスとして残すことが出来ます。
訴えられても、今までモンスター社員に尽くしてきた行為を思う存分に晒せるチャンスにもなりますので必ず証拠として残すようにしましょう。
問題を起こしたら始末書を書かせる
問題行動ばかり起こすモンスター社員には「始末書」を書かせるようにしてみましょう。
始末書には、労働者が反省の意を書き示すことで再発防止を促すための効果があります。
自身の失敗や不始末を振り返ることで、何がダメだったのかを理解し、これからの行動を改善していくことに期待できます。
現実問題として
あなたがモンスター社員と認識しているレベルなので、始末書を書かせても働き方や考え方が変化する可能性はかなり低いでしょう。
しかし、問題を起こす度に始末書の提出を求めておくことによって、解雇させる際のエビデンスにもなります。
注意点として、始末書の提出を強要することはパワハラになってしまう可能性も考えられます。
パワハラとして訴えられると会社として不利になるのは間違いありませんので、あくまでも提出を求めるだけで強要はしないようにしてください。
減給・懲戒処分を言い渡す
様々な対処法を講じた結果、モンスター社員に改善が見られなければ、直ぐにでも解雇したいと感じることでしょう。
しかし、ここでは解雇するのをグッと堪えて「減給」「懲戒処分」を先ずは試みるようにしてください。
今までの問題行動を理由にして給料を下げたり、降格や出勤停止を言い渡すことでモンスター社員が自ら退職の意志を固めてくれるかもしれません。
モンスター社員を辞めさせる際の注意点
モンスター社員を辞めさせる場合は、一般社員を退職させるより何十倍も気を付ける必要があります。
モンスター社員はプライドが高かったり、執着心が強い傾向にあるため解雇されることに腹を立てて、裁判に発展させてしまう可能性も大いにあり得ます。
どれだけ問題ある社員だったとしても、裁判になれば企業の立場はかなり弱くなるため十分な解雇理由や証拠が必要になることを理解しておかなければなりません。
辞めさせる際の注意点を以下にまとめていますので必ず内容は確認しておくようにしてください。
□モンスター社員を辞めさせる際の注意点
- 何があってもいきなり解雇は絶対にNG!
- 客観的合理性と社会的相当性が重要
- リスクに備えて出来る事なら弁護士を立てておく
何があってもいきなり解雇は絶対にNG!
社員の問題行動が目立つ場合やモンスターっぷりが酷ければ、会社を直ぐにでも辞めて欲しいと感じるのは当たり前のこと。
だからと言ってそれだけの理由で社員を解雇させるのは、会社にとってリスクしかありませんので絶対に解雇を言い渡すのは辞めておきましょう。
日本の雇用契約はめちゃくちゃ労働者側が有利な立ち位置となっていますので「モンスター社員だから解雇しました!」という浅はかな理由では、訴えられた時に裁判で確実に負けてしまいます。
客観的合理性と社会的相当性が重要
労働契約法では、従業員を解雇するための要件として「客観的合理性」と「社会的相当性」を満たす必要があると記載しています。
この客観的合理性と社会的相当性を満たせばいいんでしょ?と思うかもしれませんが
上記における「条件を満たす」を言い換えれば、誰しもがどのように見ても「その人は解雇されて仕方ない」と思えるレベルまで達していなければならない訳です。
ちなみに客観的合理性と社会的相当性を判断する要素については「街中利公」のnoteにて詳しく記載されていましたので引用させて頂きます。
□客観的合理性の判断基準要素
■ 病気やケガで働けなくなる、またはその能力が落ちること
街中利公/MACHINAKA, Riko
■ 職務能力の不足、勤怠の不良、職務懈怠、業務適性がないこと
■ 職務規律違反、違法行為をはたらいた、または刑事で有罪になったこと
■ 雇主の業績悪化など経営上の必要性
■ ユニオンショップ協定にそっていること
□社会的相当性の判断基準要素
■ 解雇処分は解雇理由となった労働者の行為からして過酷過ぎないか
街中利公/MACHINAKA, Riko
■ 他の従業員の処分とのバランスはとれているか(均衡を欠いていないか)
■ 解雇を回避する対策(能力不足なら、研修や指導)を施したか
■ 解雇される従業員にどのような個別の事情があるか(勤怠や処分歴など)
誰から見ても解雇されて仕方ないというレベルは、アナタが想像する以上に高い水準だと認識しておくようにしてください。
リスクに備えて出来る事なら弁護士を立てておく
モンスター社員を解雇させると決心したのであれば、なるべくリスクを低くするために「弁護士」を立てておく事がオススメです。
弁護士は言わずと知れた法律のプロになりますので、弁護士に相談しながら手続きを進めれば労働契約法に違反することなく安心してモンスター社員へと解雇を言い渡せるでしょう。
また、モンスター社員を辞めさせる時は「解雇」の意思表示だけに注目しがちですが、実はそこに至るまでのプロセスにおいて「パワハラ」「モラハラ」をしてしまう企業や、何かしらのトラブルに発展してしまう事例は数多くあります。
事前に弁護士を立てておけば、感情的に行動してしまうリスクも低減され、安心して解雇までの道筋を導いてくれますので是非とも頼りたい存在になるでしょう。
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