携帯販売の仕事をすることになったけど、携帯ショップじゃなくて何故か家電量販店に勤務することになった。
どのようにお客様に声を掛ければ良いか分からないし、声を掛けてもその後にどうしたらいいのかも分からない。
このように理不尽にも家電量販店に設置されている携帯会社に配属され、右も左も分からないまま悩んでいる方は多いことでしょう。
携帯販売で最初にやるべき事は先ず「お客様に声を掛けて、席に座ってもらい、携帯販売のベテランに案内を変わる事。」
今回は声掛け(キャッチ)のコツをあなたに伝授しますので、この記事を読む事でスムーズに、キャッチ~着座誘導までが出来るようになるでしょう。
またベテランの販売員でも売り場環境によっては上手くキャッチが出来ず困っている方もいると思いますので、ベテラン勢に向けたキャッチの極意も記載します。
そもそもキャッチとはどういう意味?
キャッチとは自分からお客様に声を掛ける行為の事を表し、アプローチと呼ぶ場合もあります。
皆様が良く想像されるであろう、携帯ショップの入口で受付をしているスタッフはキャッチをしているのではなく、お客様から声を掛けられて「受付」をしている流れなので意味合いが大きく異なります。
それなら自分からわざわざキャッチする必要ないのでは?
このように疑問を持つ方もいるかもしれませんが、家電量販店は携帯ショップと環境が全く違いますので、キャッチが最も重要な仕事と言えるのです。
家電量販店は何故キャッチが重要なのか
携帯ショップと異なり家電量販店だと何故キャッチが最も重要なのか、2つの理由が挙げられます。
□キャッチが重要な2つの理由
- 複数の携帯会社スタッフがいる事でキャッチをしなければ、他社にお客様が行ってしまう
- 携帯電話は携帯ショップで購入するイメージから、家電量販店で購入出来るのを知らない方が多い
携帯ショップならドコモ、au、ソフトバンクというように専門のショップへとお客様は足を運ぶことから、auショップに来店したお客様をドコモスタッフに取られるという心配はありません。
しかし家電量販店の場合は、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル等など各会社のスタッフが売り場に共存している環境となりますので、自分からキャッチをしなければ他の人にお客様を取られてしまう訳です。
また携帯電話を購入したいとお客様が思っていても、家電量販店にはスマートフォンが展示されているだけで「契約」まで出来る事を知らない方もいらっしゃいます。
こちらから声を掛ければ契約してくれるお客様だったとしても、家電量販店だと購入出来ないと勘違いしていることにより帰宅されてしまいますので、キャッチの重要性が理解できることでしょう。
キャッチのコツ 【新人編】
キャッチ(声掛け)にはコツがあり、もちろんゴール地点もあります。
キャッチのゴール地点は「お客様に座って頂くこと」を目標とし、その為にどのようなキャッチをすればいいのかを考える事が重要。
新人さんがキャッチ~着座までに必要となるコツを下記5つのステップにて伝授しますので参考にしてみてください。
- 誰でもいいから先ずはキャッチしよう
- 新人の役割が着座までの理由
- キャッチから着座の流れを確認
- 着座に必要な情報は来店目的
- ベテラン販売員が求めている情報って何?
誰でもいいから先ずはキャッチしよう
キャッチは着座をしてもらうために行う行為だとゴール地点は分かりましたが、どのようにキャッチすればいいのか結局は良く分かりませんよね。
ぶっちゃけキャッチの方法に正解はなく、とにかく声を掛ける事が正となります。
難しい事は考えず、誰でもいいので先ずはお客様に向かって一言声を掛けるようにしてみましょう。
声掛けワードは
- いらっしゃいませ
- こんにちは
- ご来店ありがとうございます
シンプルにこれだけでもOK、しかしお客様としては自分に向かって言われていると認識が出来ずに素通りしてしまいます。
つまり私があなたに声を掛けている、この事に気づいてもらう必要があるので、効果的な声掛けワードに変更すると
- 何かお探しですか?
- ご要件お伺いしましょうか?
- キャンペーンでお安くなってますよ!
このような声掛けに変えるだけで、お客様は足を止めてくれるようになるでしょう。
ちなみに上記の声掛けシーンとしては、お客様が通路を歩いている状況や、携帯コーナーに入るか迷っていそうなシーンでの声掛け例となります。
すでに携帯売り場にてじっくりとスマートフォンを眺めているようなシーンになっていれば
「買い替えですか?」「ご検討中ですか?」
この声掛けで問題ありませんので覚えておくようにしてください。
新人の役割は着座までの理由
キャッチができたとして、なぜ着座までをゴール地点とするのか疑問に感じた方もいることでしょう。
その理由は「携帯販売は難しい」から
立ち話しでお客様が理解できるような内容でもありませんし、新人が購入~契約までの流れを説明できるほど簡単じゃないんです。
着座してもらうことには2つの意味合いがあり
1つ目は「お客様に座って頂き詳しく話を聞ける環境をつくる」
2つ目は「難しい契約の案内からはベテランスタッフに変わるためのタイミングづくり」
このように双方にメリットがある行為となる訳です。
今まで何をすれば良いのか分からなかった新人さんも、このように座ってもらうまでをゴール地点にすることで目的が明確になりますし、不安やストレスも無くなることでしょう。
キャッチから着座の流れを確認
では実際にキャッチ~着座までをどのようにすれば良いのか、参考例を元に確認をしてみましょう。
売り場の環境は店舗によって様々ですが、基本的に什器(スマートフォンの展示場所)があって、メイン導線(お客様が通る道)で構成されています。
携帯販売員は導線に立つことを普通は禁止されていますので、什器内でお客様が来店されるのを待機します。
お客様が来店され導線に沿って歩いて来ました。
何でも良いので声掛けワードを、お客様に向かい発してみてください。
あなたの声掛けに気づいたお客様は、要件があればその内容を伝えてくれます。
今回は偶然にも携帯を買い替えたいという絶好の来店目的。
「かしこまりました、お席に案内します。」
と、そのまま着座に誘導しましょう。
もしも着座誘導するのがスムーズに行かなかった場合は、お客様の話を伺いながら
「立ち話だと難しいので」
「いろいろと比較した方が良いと思うので」
「もう少し詳しくキャンペーン内容お伝えするので」
このように理由付けを一度してみると、お客様もすんなりと座ってくれることでしょう。
お客様が席に着きましたら
「詳しい担当スタッフに変わりますね」
「私は新人なので詳しい者に変わります」
このように一言添えてベテラン販売員にお客様を引き継ぐようにしてみてください。
着座に必要な情報は来店目的
着座までの流れは参考例を確認したことで、何となくイメージ出来たかと思いますが誰でも彼でも簡単に着座してもらえる訳ではありません。
キャッチして着座してもらう為には、お客様の来店目的が一体何なのかを把握する事が非常に重要です。
先程の例だと来店目的は「携帯を買い替えたい」という内容でしたので、ぶっちゃけ自らキャッチしていなくても売り場にあなたしか立っていなかったのであれば、必然的にお客様から声を掛けられて着座までしていたことでしょう。
来店目的は人によって様々ですが、ほとんど同じような内容となりますので事前に返答パターンを準備しておくことでキャッチから着座までスムーズにいきます。
声掛けして要件を伺うと大体がこのような返答となり、ほとんどは「かしこまりました、お席でご案内します。」と即答するだけで着座誘導できてしまうのがほとんどでしょう。
「新しいスマホを見に来た」
「家電製品を見に来た」
「暇つぶし」
上記3つに関しては座ってもらう理由が無いことから、何かしらの理由をコチラが付けて座ってもらう必要があるので難しいパターンとなります。
基本的にお客様にとってメリットがある事を伝えれば、それが座る理由に繋がるのですが
「新機種の在庫が今ならある」「家電を安くできる」「今より適した料金プランがあるかもしれない」
このように人によってメリットとなる内容は大きく異なることでしょう。
目の前の人に合った的確な理由付けができなければ、お客様から「大丈夫です。」と断られることになります。
この難しいパターンを攻略したい場合は、次項で解説している「ヒアリングのコツ」に目を通して頂き、お客様の情報を聞き出すことで的確な理由付けが出来るようになるでしょう!
ベテラン販売員が求めている情報って何?
キャッチから着座ができるようになってきたら、ゴールを達成したも同然です。
新人スタッフとして、キャッチの仕事が楽しいと感じるようであれば声掛け技術に磨きをかけて色んな人をキャッチできるようにしてみましょう。
ベテランスタッフのように着座したお客様に対して携帯販売の説明や提案を出来るようになりたい!
このように感じている場合は事項の「ヒアリングの極意」を読んで頂き、お客様に提案やクロージングが出来るように勉強してみることをオススメします。
ちなみに途中から案内を変わるベテラン販売員は
「来店目的」
「現在のスマートフォン利用状況」
に関する2つの情報を提案前に求めている事が多いです。
例えば来店目的が「スマホの故障」だった場合これだけだと、修理した方がいいのか、買い替えした方がいいのか、自社ユーザーなのか、他社ユーザーなのか考える事がたくさん出てきますが
現在の利用状況も組み合わさることで「au・iPhone6・月々1万円」
これなら確実に新しいスマートフォンに買い替えた方が良いと案内に入れます。
この利用状況がもしも「au・iPhone13・買い替えて1ヶ月目」このような内容ならApple Storeで修理する方が良いので、家電量販店で買い替えを提案してもお客様に損をさせるだけだと事前に判断する事が可能。
来店目的だけでも、問題なくベテラン販売員は提案を開始できますが、合わせて現在の利用状況もヒアリングしてもらえると誰しもが有難いと感じでいるはずでしょう。
現在のスマートフォン利用状況をヒアリングする方法は事項の「ヒアリングのコツ」にて解説していますので合わせ確認するようにしてください。
キャッチのコツ【ベテラン編】
携帯販売で分からない事はほとんどないけど、お客様をキャッチするのが苦手、他社のスタッフにお客様を取られてしまう。
このようにベテランの方でも悩んでいる方は多いことでしょう。
キャッチが苦手なら、「キャッチを得意な人に任せる」この方法が1番ですがそうもいかない店舗もあるはず。
そんな環境にいるベテラン販売員さんは、いかに効率良く、楽にキャッチできるかを考える必要があります。
4つの項目に分けて詳しくキャッチのコツを伝授しますので参考にしてみてください。
- お客様の思考を想像してみよう
- キャッチの優先順位を決めよう
- スタッフの立ち位置を把握しよう
- 他コーナーでのキャッチも意識しよう
お客様の思考を想像してみよう
ベテラン販売員がキャッチを行う場合、新人スタッフと同じように誰でも構わず声掛けをしているなら、非常に効率が悪く勿体ない行動をしていると言えるでしょう。
ベテランスタッフは携帯に関する知識は多く、今まで様々なお客様に販売をしてきた経験もあります。
経験のある方なら来店してきたお客様の歩き方や、視線の動き、身なり等を見るだけで直感的に
「あの人は携帯目的そうだな。」
「あれはただの暇つぶしか」
「何か探してるけど携帯ではなさそう」
このように感じたことは必ずあるはずです。
キャッチをするにあたり、この感覚が大切なのですがコツを教えるとしたら、あなたが感じた直感に+αして
「この人は何を思ってここにいるんだろう・来たんだろう?」
このように目の前を歩いている客を見て来店目的を想像するだけでなく、「その方が何を思ってこのお店に来たのか」
ここまで瞬時に考えてキャッチに行くのか、行かないのかを判断する技術を身につける必要があるでしょう。
キャッチの優先順位を決めよう
家電量販店は携帯ショップと異なり、来店した全てのお客様を順番に自分or自社スタッフが接客できるという訳ではありません。
常に競合している他社スタッフが売り場にいますので、自社スタッフが全員接客をしていれば、その後に来店されるお客様は全て他社スタッフにキャッチされることになるでしょう。
もっと分かりやすく例えれば
暇つぶしで来店しているお客様に声掛けし2時間粘って、見積もりだけお渡し出来た場合と
暇つぶしの方はそのまま声掛けせず、1時間後に来店された買い替え希望のお客様に声掛けでき30分で契約が完了した。
どちらが携帯販売スタッフとしてあなたは素晴らしいと思いますか?
正解はありませんが、少なくとも後者の方が生産性もあり、もう1組買い替え希望のお客様が来店されていたとしても余裕を持って対応する事ができたでしょう。
また同じタイミングで2人のお客様が来店された場合も同様で、1人は乾電池を持ったおじいさん、もう1人は画面割れスマホを持ったお姉さん。
携帯販売員としてどちらを優先してキャッチするか問われれば、答えは一目瞭然ですよね?
お客様を見た目で判断するのは良くありませんが、コチラも仕事で仕方ないと割り切ってキャッチするように心がけることが大切でしょう。
スタッフの立ち位置を把握しよう
新人スタッフがキャッチを行う場合だと、誰にでも構わず声掛けすることが大切なポイントとなりますので売り場の最前線に立ってもらうことが多くなります。
売り場に立てる人数が決まっている事も多いので、ベテラン販売員は全体が見渡せて、直ぐに声掛けが出来るポジショニングが重要。
また他社スタッフが売り場にいるなら、その人よりも先にお客様へと声掛けをする必要がありますので
ポジショニングはこの位置
もしくはこの位置が理想的でしょう。
他社スタッフにファーストアプローチ(最初のキャッチ)をされない環境なら、立ち位置など全く気にする意味はありませんので、競合他社によってキャッチが上手く出来ないと悩んでいるベテランは覚えておくべき項目となります。
他コーナーでのキャッチも意識しよう
家電量販店だからこそできる最大メリット「他コーナーでのキャッチ」を取り入れている店舗はどれくらいあるでしょうか?
他コーナーとは、携帯コーナー以外の売り場
白物家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や、黒物家電(テレビ、パソコン、イヤホンなど)が置いている場所を指し、最近では他コーナーでの活動に力を入れている携帯販売員も多くいらっしゃいます。
他コーナーでのキャッチは、スマートフォンだけでなく家電製品にも詳しくなる必要があることからハードル高い業務となるものの
携帯コーナーとは異なり、競合他社が少なく、ゆっくりキャッチを行える優位点もある訳です。
パソコンを組み立てるのが趣味だった、調理家電には詳しい、美容家電には目がない
このような元々の趣味、知識がある家電製品があるならアプローチエリアを拡大して、自分の好きな商品をオススメしながら携帯電話の悩みがないか伺って件数獲得に繋げることもできるかもしれませんね!
動画で学ぶキャッチのコツ
キャッチのコツを会話形式の動画で紹介しています。
ポイントを抑えておくだけで、どのようにキャッチをすればいいのか、やってはいけない声掛けの仕方がイメージ出来るようになるでしょう。
定番の一言を決める
二言目を意識する
目を見る
ズラし質問
焦って駆け寄らない
キャッチの次はヒアリングを身につけよう!
家電量販店で携帯販売を5年以上しているベテランがキャッチのコツを伝授しましたが参考になりましたでしょうか?
キャッチから着座まで出来るようになったら、次にヒアリングを行うことでお客様にどのような提案をすればいいのか考える事ができるようになります。
ヒアリングの詳しい技術に関してはコチラの記事にて詳しく解説をしていますので、合わせてチェックするようにしてください。
キャッチが楽しい!キャッチだけを極めたい!このように感じた方は是非ともキャッチの技術をレベルアップしていき
あなたが在籍している店舗に欠かせないキャッチの存在となることを目指してみてください!
そうなる事でベテラン販売員や、クローザーからめちゃくちゃ感謝されるポジションを確率する事ができ、店舗の売り上げも大きく増えることにも繋がることでしょう。
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