個人事業主になれない人とは?向いてない人の特徴とメリット・デメリットを解説。

人生の悩み

終身雇用が崩壊したと言われる昨今、会社の社員として働き続けることに不安を抱く方は多くなりました。

会社に依存せず己の力で稼いでいく働き方に注目が集まっており、独立して開業する人だけでなく、個人事業主として企業に勤める雇用形態も一般的になりつつあります。

今回は「個人事業主になれない人」がいるのかと、「個人事業主に向いていない人」をそれぞれまとめました。

結論、個人事業主には誰でもなれますが、個人事業主に向いてない人に項目が複数当てはまる場合は、個人事業主になるのはやめておいた方が身のためかもしれません。

個人事業主として活動していくことは、人生において大きな転機と言えます。

失敗してしまわないよう必ず最後まで目を通すようにしてください。

個人事業主になれない人はいるの?

結論として、個人事業主になれない人は法律の観点から見ればいません。つまり個人事業主には誰でもなろうと思えばなれてしまうわけです。

個人事業主になる為の条件は、税務署に「開業届け」を提出すること。

資格やスキルが無くても、たったこれだけの作業を行えば誰でも個人事業主にはなれてしまう訳です。

ただし、今の本業を続けながら副業として個人事業主になろうとしているなら、社会的な観点から個人事業主にはなれない場合が考えられます。

例えば、副業禁止の企業に務めている。公務員として働いている。

このような場合は個人事業主になることで本業に問題が生じる可能性がありますので気をつけるようにしてください。

個人事業主に向いてない人の特徴

個人事業主になれない人は基本的にいない事が分かりましたが、個人事業主ならない方がいい人(向いてない人)がいるのは事実です。

向いていなにも関わらず個人事業主になることで、事業に失敗して人生を棒に振ってしまったり、最悪の場合だと多額の借金を抱える可能性や、大切な家族や友人を失ってしまうかもしれません。

最近では、個人事業主になるのはオススメだと多くのメディアで取り上げられるようになってきましたが、今まで通り企業の会社員として働いた方が良い場合ももちろんあります。

思い付きによる一時の感情だけで行動するのはリスクが大きいので、下記にまとめている「個人事業主に向いてない人の特徴」に必ず目を通してから今後どうしていくのかを検討するようにしてください。

□個人事業主に向いてない人の特徴

  • 自己管理能力が低い
  • 安定した仕事を求めている
  • 人見知りでコミュニケーションが苦手
  • 何事もすぐに飽きてしまう
  • 現状に満足している

自己管理能力が低い

会社の従業員として働く場合は、体調を崩したり、仕事が間に合わなそうでも誰かが変わりにサポートしてくれたり手伝ってくれるのが普通でしょう。

個人事業主として働く場合は、手伝ってくれる人や変わりに仕事をしてくれる人がいませんので、どのようなコンディションでも自分の力で乗り越える必要があります。

不健康な生活をしており体調管理がまともに出来ない人や、計画的に行動するのが苦手な人、収支に関する管理など、自己管理が出来ないのであれば個人事業主になるべきではありません。

安定した仕事を求めている

会社員の給料では満足できない、1人でも稼げる知識や能力を手にしたい。

このように向上心や野心に満ち溢れている訳ではなく、現状維持や安定的な生活を求めているなら個人事業主には向いていません。

個人事業主として活動していくためには、時代や環境の変化へと柔軟に対応しなければ、仕事を受注し続けるのが難しくなります。

人見知りでコミュニケーションが苦手

個人事業主は自分で仕事を探して受注していく必要がありますので、クライアントと良好なコミュニケーションを取ることは重要なポイント。

内気で人見知りな性格だと仕事を受けることすら難しくなりますので、個人事業主には向いてないと言えます。

仕事を依頼してくれる相手が顔見知りだったとしても、将来的に事業拡大をするタイミングで困ってしまうでしょう。

何事もすぐに飽きてしまう

気持ちが熱しやすく冷めやすいタイプなら、個人事業主としての活動は慎重になったほうが良いでしょう。

今はやりたくて仕方のない事業でも、実際にチャレンジしてみると上手くいかなかったり、心がれてしまうことは日常茶飯事。

また、事業に成功しても飽きやすい性格の人は違うことに手を出したくなったり、継続する行為自体が難しいため、ご自身の性格を自覚した上で個人事業主になるのか判断する必要があります。

現状に満足している

会社員として現状の給料や働き方、プライベートに満足しているならわざわざ個人事業主になる必要はありません。

もっと稼ぎたい!

会社員のストレスから解放されたい!

このような考えを持っている人が個人事業主には向いており、会社員という環境に不満を感じていないなら今のまま生活した方が良いかと思います。

現状に満足しているものの、将来性に不安を感じていたり、とにかく個人事業主を経験だけでもしてみたいと考えるならチャレンジしてみてもいいでしょう。

個人事業主になるメリット

個人事業主に向いていないと感じたのであれば、いったんは会社員として今まで通り働き続けるのをオススメします。

向いてないかもしれないけど、個人事業主としてどうしても活動してみたい。会社員として働き続ける現状から脱したい。

このような気持ちが収まらないのであれば、個人事業主になるメリット・デメリットをそれぞれ確認していただき、本当に個人事業主になる必要があるのか判断するようにしてください。

□個人事業主になるメリット

  • やりたいことを仕事に出来る
  • 働く場所・時間を自由に選べる
  • スキル次第で稼げる金額が変わる

やりたいことを仕事に出来る

会社に就職して働く場合、好きな仕事に就けているなら「やりたいこと」が出来ているため不満を感じることは基本的にありません。

しかし現実的には、ほとんどの人達がやりたくもない仕事に就いているはず。

個人事業主になれば、アナタの好きなことや得意なことだけを選んで働けるようになります。

稼げるか、稼げないかは置いといて、やりたいことに集中出来る働き方は理想的なビジネスモデルと言えるでしょう。

働く場所・時間を自由に選べる

会社員なら働く時間が9時~18時と言うように就業規則を決められていると思いますが、個人事業主になれば働く時間帯を自分自身で自由に決めることが可能。

フレックスタイム制を導入している企業なら、働く時間をある程度は自由に選べますが、個人事業主の場合はさらに日によって「働く」「働かない」この選択肢も選べる魅力があります。

また、時間だけでなく場所や環境も自由に決めれますので、自宅・カフェ・公園など気分に合わせて働く場所を変えれるメリットもあります。

スキル次第で稼げる金額が変わる

スキルや知識・技術を身につけても、会社員として勤務している状況なら給料に直結することはほとんどありません。

資格手当てがある場合や、時間は掛かりますが上層部や人事に評価されるキッカケがあった時くらいでしょう。

その点、個人事業主は身につけたスキルを活かして受注する仕事を増やしたり、高単価な案件を受けれるようになることから、スキルが向上するほど稼げる金額も高額になるメリットがあります。

個人事業主になるデメリット

メリットの次は、デメリットについて解説していきます。

メリットよりもデメリットの方が大きいと感じたのであれば個人事業主になるのは辞めておきましょう。

□個人事業主になるデメリット

  • 会社員より収入が不安定になりやすい
  • 社会保険料が自己負担になる
  • 自分自身で確定申告をする必要がある

会社員より収入が不安定になりやすい

会社員であれば、体調不良で会社を休んでも有給を取得して給料を確保できたり、急に仕事が無くなってしまうなんてことはそうそうありません。

個人事業主は、自分自身でこなした仕事だけで収入を得ていくので体調を崩したり、受注できる案件が少なくなると必然的に収入が下がる結果へと繋がります。

産休や育休、長期休暇などなど会社員なら当たり前のように受けれる福利厚生も、当たり前ではなくなりますので大きなデメリットとして理解しておく必要があるでしょう。

社会保険料が自己負担になる

会社員は手厚い雇用保険や社会保険に加入出来るだけでなく、会社が社会保険料を半額負担してくれるメリットがあります。

一方で個人事業主の場合は、自分自身で国民健康保険や国民年金保険などの社会保険に加入しなければなりません。

また将来的に貰える年金は、個人事業主として加入する国民年金よりも、会社員として加入している厚生年金の方が支給額が大きくなります。

自分自身で確定申告をする必要がある

会社員は給料から勝手に所得税が引かれているため、わざわざ税務署に稼ぎを申告する必要はありません。

また、年末には年末調整も企業が行うため納税の過不足金も勝手に調節してくれます。

個人事業主の場合は、納税に関する手続きを全て自身で行わなければなりませんので手間が掛かる分デメリットになることでしょう。

確定申告をしなければ、脱税により罰金や懲役を受ける可能性もありますので必ず理解しておきたいポイントになります。

個人事業主になるためには

個人事業主になるための具体的な流れを解説します。

内容は非常にシンプルで税務署へと「開業届け」を提出して、「青色申告承認申請書」や、事業によって「その他の書類」も合わせて提出するだけ。

難しく悩む必要はありませんので、頭で考えるよりも先ずは税務署へと足を運び担当者に質問しながら手続きを進めるのもオススメの方法になるでしょう。

□個人事業主になるためには

  • 開業届の提出
  • 青色申告承認申請書の提出

開業届の提出

個人事業主になるためには「開業届」を税務署へと提出すればOK。

開業届けは所轄の税務署での受け取り、もしくは下記の国税庁ホームページよりダウンロード出来ます。

[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

提出期限に関しては下記のように国税庁では記載がされていますので遅くなりすぎないよう気をつけましょう。

[提出時期]

事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください。
なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。

国税庁

開業届けに記載する項目は多数ありますが、税務署にて担当者に質問しながら記載すれば簡単に手続きを済ませることが可能です。

青色申告承認申請書の提出

開業届けの提出が完了しましたら、晴れて個人事業主の仲間入りとなりますが、出来ることなら「青色申告承認申請書」も合わせて提出しておきたいところ。

最大65万円の特別控除が受けれるようになりますので、大きな節税効果に期待ができます。

青色申告承認申請書についてJCBサイトがまとめていた情報を、下記に引用していますので参考にしてみてください。

青色申告承認申請書とは

前述のとおり、個人事業主が青色申告を利用すると、最大で65万円の青色申告特別控除を受けられます。 青色申告特別控除を利用するためには、開業届に加えて「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。開業届と同様、青色申告承認申請書も税務署で入手できるほか、国税庁のHPからダウンロード可能です。また、青色申告承認申請書には提出期限があり、新しく業務を開始した場合は事業開始日から2ヵ月以内です。

青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、複式簿記で記帳した帳簿に貸借対照表と損益計算書を添付して申告期限内に提出しなければなりません。複式簿記ではなく単式簿記の記帳や、申告期限に間に合わなかったなど、特別控除の条件を満たせていない場合は控除額が10万円となってしまいます。青色申告は日々の記帳や確定申告の手間が増える点はデメリットといえますが、手間を差し引いても得られる節税効果は収益にとって大きなメリットになります。

JCB

まとめ

個人事業主になりたいのであれば税務署へと「開業届け」を提出することで基本的に誰でもなる事が出来ます。

しかし、本業をやめて個人事業主だけの収入で生計を立てていく予定なら、会社員として働く場合と異なりそれなりのリスクが伴うことを理解する必要があるでしょう。

個人事業主に向いてない人の特徴」に再度目を通して頂き、複数当てはまる項目があるなら個人事業主として活動することはお勧めできません。会社員のまま働き続けるか、会社員を続けながら個人事業主としての活動を同時に行う選択肢を検討するようにしてください。以上

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